事業所で感染者が発生すると休業、閉鎖といった事態を招きます。
また、会社としての対応が不十分だと会社そのものの信用や評判を損なう可能性もありますので、しっかりと対応をしておく必要がありそうです。
そうした時には以下のような支援が受けられます。
勤務ルールを考えよう
社長の会社では、勤務ルールを整備し、社員の皆さんへ周知、徹底されていますか?
今回の新型コロナへの対策としては、以下の観点からルールを見なおす、整備する必要がありそうです。
出勤前のルール
①体温の変化について
体温の変化をしっかりと把握することはとても大切です。
微熱があった場合
37.5度まで熱がでていなくても、平熱を超える熱が見られた場合の対応はどう考えたらよいでしょうか。
出勤時には微熱でも、勤務時間中に発熱したとの報道をよく見ます。
勤務中に体温変化を確認することが早期発見、拡散防止につながります。
37.5度以上の場合
発熱状況を会社へ報告し、自宅待機とします。
新型コロナへの感染疑いがあり、自宅待機が必要といわれる37.5度を基準とした上記ルールの整備はされているかと思いますが、このルールだけで十分でしょうか?
37.5度以上の発熱が出た場合、当然自宅待機とすることとなりますが、それ以降の出勤判断をどのように考えればよいのでしょうか。
翌日、平熱に戻れば出社してもらっても良いのでしょうか?上司の判断に任せますか?都度、総務へ確認?
待機期間、及び待機解除の条件も合わせて整備する必要があります。
家族が発熱している場合
本人に発熱の症状が見られなくても同居の家族に発熱があった場合の対応も準備が必要です。
同居家族は濃厚接触者となり、家族が発症した際には一番に感染疑いとなります。
②体の異変について
味覚や嗅覚の異変も新型コロナの感染者から報告されています。
体温の変化だけでなく、味覚、嗅覚の変化があった場合も会社へ報告し、対処することが大切です。
通勤ルール
通勤ルールだけを考えるとシンプルです。
マスクを着用する
感染予防にはつながらないといった話しもありますが、拡散防止にはつながりますし、通勤時の周りの人に対するエチケットとしても着用が望まれます。
時差出勤を考える
公共交通機関で通勤する社員の皆さんの精神的ストレスは相当なものではないでしょうか。
通勤ラッシュといわれる時間帯を避けて出勤することも考えてみましょう。
また、時差出勤の効果は出勤時の感染予防だけでなく、同じ時間帯に更衣室を利用することを回避できるといった効果もあります。
出社時ルール
出社したら手洗い、消毒を徹底し、菌を持ち込まないようにしましょう。
手について菌を洗い流すことで、手についた菌が目や鼻から体内に入り込むリスクを減らせると同時に、ドアノブ等の接触感染の防止にもつながります。
勤務時のルール
(1)職場の環境づくり
3密状態を避けた職場づくりを心がけましょう。
換気を心がける
窓や扉を締め切らず、室内の空気が流れるようにしましょう。
事務所内の間隔を保つ
事務所スペースの問題で机の距離を離すことが難しければ、
・打合せスペースや会議スペースを事務所として代用する
・机と机の間に間仕切りを設置する
といった方法も検討してみましょう。
会議やミーティングを見なおす
不要不急のミーティングや打合せは延期するか、オンラインに切り替えるといった対応を検討しましょう。
Zoomやchatwork等無料で活用できるオンラインツールを上手に利用すれば、会議等の効率化も同時に図れます。
Zoomは会議内容を録画しておくこともできるので議事録や、情報共有のツールとして活用することも可能です!
無料のオンラインツールについてはこちらの記事を参考にしてみてください!
(2)訪問に関するルール
不要不急の外出や訪問は避けましょう。
簡単な打合せであれば、電話やオンラインツールを利用して済ませるようにしましょう。
非常事態宣言が発令されている地域であれば原則、外出や訪問活動は禁止としましょう。
県外への移動は禁止
県外への移動は原則禁止としましょう。
業務上、不可避な訪問であればやむを得ず対応することとなりますが、しっかりと感染防止を心がけた行動を守らせましょう。
(3)来訪に関するルール
不要不急の来訪はお断り
アポなし訪問は原則お断り、急を要する内容でなければ時期をずらす等 来客をなくす対応をとりましょう。
来客対応
玄関に消毒液を設置する、マスクの着用を依頼するといった依頼はもちろん、来客応対をするスペースを限定することも検討しましょう。
勤務形態を見なおす
新型コロナの感染拡大により、会社が実施すべき対策として、以下の取組みが挙げられます。
〇時差出勤
〇在宅勤務
これらの取組みは、休業や時短勤務、交代勤務等違い、処遇への影響が少なく、実施しやすいのではないでしょうか。
時差出勤
社員の皆さんが最も感染リスクに晒される場面として考えられるのが「通勤時の公共交通機関利用」ではないでしょうか。
そこで、出社時間を前倒し、又は後ろ倒しにする対策を講じることで、通勤ラッシュを避ける効果を狙ったものです。
時差出勤をすることにより、以下のような対応が必要となります。
(1)勤務時間の一斉変更
就業規則で定められた始業、終業時間が変更されますので、規則の変更や社員への周知が必要となります。
例えば、9時~18時の勤務時間を、10時~19時へと変更するといった感じです。
通勤ラッシュを回避するだけでなく、朝の時間をゆっくりと過ごすことができるため、休校となっているお子さんの昼食を用意するといった副次的なメリットも得られるようです。
また、夕方18時~19時の間は社外からの連絡が少なくなるため、業務に集中できる、社内の打合せが行いやすいといったメリットもあります。
(2)勤務時間の部分変更
9時始業、10時始業といったように社員や部署によって始業時間を変更することとなり、規則の変更や社員への周知、及び、業務の見なおしが必要となります。
①の対応と同様、始業時間が遅くなると通勤ラッシュの回避ができることはもちろんですが、社内でも更衣室の混雑や昼休憩時間をずらすことによる食堂の混雑回避が可能となります。
一方、一斉変更とことなり、時間差で出勤、退勤をするため朝礼や夕礼といった職場のミーティングの開催や、朝夕の掃除等について対応を考えないといけません。
在宅勤務
通勤をすることなく、在宅、又は会社が指定したサテライトオフィス等で勤務をする制度を導入することとなります。
在宅勤務となった場合、以下のような注意点が挙げられます。
- パソコン等情報通信機器の取扱い
- 勤怠管理の方法
- 業務報告や相談の方法
- 業務上の機密保持に関するルール
- 情報通信機器のトラブル等発生時の対応
- 通勤手当等一部の処遇について
これらの内容については規程や内規として定め、社員へ周知し、労使間でトラブルが発生しないようにしないといけません。
①パソコン等の情報通信機器について
ノートパソコンを会社が用意するか、デスクトップパソコンを自宅へ送るなど、セキュリティやアプリケーションの問題もありますので会社が主導で用意をする必要があります。会社のパソコンを在宅利用となると、利用や情報管理に関するルールをしっかりと整備しておかないといけません。
②業務管理について
在宅勤務を個人任せで行うと業務管理が非常に難しくなってしまいます。
そこで、始業、終業の確認はもちろんのこと、業務報告やミーティング等しっかりと管理を行う仕組みやルールづくりが大切になってきます。
ここでもオンラインツールを活用することで管理ができるだけでなく、不足しがちなコミュニケーションが行えるメリットがあります。
活用できる助成金
働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)
新型コロナウイルス感染症対策の1つとして、病気休暇制度や、お子さまの休校・休園に関する特別休暇制度を整備し、従業員が安心して休める環境を整備することが重要です。
このコースでは、特別休暇制度を新たに整備の上、特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の皆さまを支援します。
業実施期間中(2020年2年2月17日(月)から同年5月31日(日)まで)に取組を実施
詳細はこちら(厚生労働省の該当ページが開きます)
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
2020年4月1日から、中小企業に、時間外労働の上限規制が適用されています。
このコースは、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の皆さまを支援します。
実施期間:事業実施期間中(交付決定の日から2021年1月29日(金)まで)に取組を実施
事業実施期間中(交付決定の日から2021年1月29日(金)まで)に取組を実施
1労務管理担当者に対する研修
2労働者に対する研修、周知・啓発
3外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
4就業規則・労使協定等の作成・変更
5人材確保に向けた取組
6労務管理用ソフトウェアの導入・更新
7労務管理用機器の導入・更新
8デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
9テレワーク用通信機器の導入・更新
10労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
対象経費の合計額×補助率3/4 但し、1企業当たりの上限額(50万円)
(※)常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で6から10を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
詳細はこちら(厚生労働省の該当ページが開きます)