・仕事が減る中、出勤体制を見なおしたい
・休校、休園によりパートさんの通常勤務が難しい
といった考えをお持ちの社長が多いのではないでしょうか。
しかしながら、アフターコロナのことを考えると解雇や退職につながるような対応は極力避けたい。
そうした時に利用できる制度があります。

お子さんの休校等でパートさんが勤務できない場合

一時的に仕事ができない状況となってしまうが、生活や、今後のことも考え有給休暇を取得させた場合、

小学校休業等対応助成金

が利用可能です。

本助成金を活用すれば最大で有給休暇の際に支払った賃金の100%が国から助成されます。

広島県が公表している令和2年2月の平均時給は1,040円(※)です。

この場合、1日5時間労働のパートさんの場合、有給休暇日額は、「1,040×5時間=5,200円」となります。

助成金日額の上限額が8,330円となりますが、5,200円は下回っていますので、助成金が5,200円支給されます。

実質的な会社の賃金負担は、5,200円-5,200円=0円となります。

1日の労働時間が8時間のフルタイムの場合 、有給休暇日額は、「1,040×8時間=8,320円」となります。

助成金日額の上限額が8,330円となりますが、8,320円は下回っていますので、助成金が8,320円支給されます。

実質的な会社の賃金負担は、8,320円-8,320円=0円となります。

この助成金を活用すれば、会社の賃金負担を大幅に軽減させ、パートさんの生活保障もすることができます。

アフターコロナを考えると、会社とパートさんの双方に負担を軽減させる本助成金の活用は前向きに検討する価値があるのではないでしょうか。

※広島労働局公表「職業別有効求人・求職及び賃金の状況(常用パート) 求人賃金下限と上限の平均額」

会社を休業とした場合

社員を休業させ、休業手当(平均賃金の60%以上)を支給した場合、

雇用調整助成金

が利用可能です。

本助成金を活用すれば最大で手当の90%が国から助成されます。

最近は特によく耳にする助成金ですが、分かりづらいので簡単に解説をします。

広島県が公表している令和元年の平均賃金(※)26万円です。

この場合、休業手当は26万円の60%以上を支給となりますので、休業手当は、「26万円×60%=156,000円」となります。

1か月に働いている日数を20日とすると、休業手当の日額は「156,000円÷20日=7,800円」となります。

休業手当日額の最大90%が助成金対象となりますので、助成金対象は「7,800円×90%=7,020円」となります。

助成金日額の上限額が8,330円となりますが、7,020円は下回っていますので、助成金が7,020円支給されます。

つまり、助成金日額7,020円×20日=140,400円が助成金として会社へ支給されるため
実質的な会社の賃金負担は
156,000円-140,400円=15,600円となります。

休業手当を100%補償とすると、休業手当は、「26万円」となり、休業手当日額は「260,000円÷20日=13,000円」となります。

休業手当日額の最大90%が助成金対象となり、助成金対象は「13,000円×90%=11,700円」となります。

助成金日額の上限額が8,330円となりますが、11,700円は上回っていますので、助成金は8,330円支給されます。

つまり、助成金日額8,330円×20日=166,600円が助成金として会社へ支給されるため
実質的な会社の賃金負担は
260,000円-166,600円=93,400円となります

この助成金を活用すれば、会社の賃金負担を大幅に軽減させ、社員の生活保障もすることができます。
アフターコロナを考えると、会社と社員の双方に負担を軽減させる本助成金の活用は前向きに検討する価値があるのではないでしょうか。

※お子さんの休校等の事情によらない休業等についても新型コロナ緊急対策として雇用保険に加入していない労働者についても今回は本助成金の対象とすることができます。

広島県労働局「産業,性別常用労働者の1人平均月間現金賃金額 男女計決まって支給する賃金」